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2010.10.27
[イベントレポート]
日本映画・ある視点 『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』 10/27(水) 記者会見

すずきじゅんいち監督(企画/脚本/監督)、榊原るみさん(監督補佐)、鈴木隆一さん(製作総指揮)、喜多郎さん(音楽)

10月27日(水)、日本映画・ある視点『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』の記者会見が行われました。
すずきじゅんいち監督(企画/脚本/監督)、榊原るみさん(監督補佐)、鈴木隆一さん(製作総指揮)、喜多郎さん(音楽)が登壇しました。
©2010 TIFF

9月29日、ラスベガスへ向かう途中に自動車事故に遭われたすずきじゅんいち監督と奥様の榊原るみさんから当時の状況をご説明いただきました。

まさに“奇跡の生還”を果たしたすずきじゅんいち監督。
2008年製作の『東洋宮武が覗いた時代』では、強制収容所に送られた日系アメリカ人たちを隠し持った手製のカメラで撮影し続けた、日系人カメラマン宮武東洋を描いたドキュメンタリーを製作。今回の『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』と、2011年からは、戦後の日本の復活と復興に尽力した日系人機密情報部員「ミリタリー・インテリジェンス・サービス」を描くドキュメンタリーを製作し、3部作となることを明かしました。
「人間として自分の存在を否定されるような思いを受けた人たちがいたということを、残念ながら日本にいるときは想像もしなかった」というすずき監督。アメリカに移り住んだことで、日本を客観的に見ることができ、日系人から戦争当時の話しをきくことで、彼らから日本の良さを感じることができた監督は、そういった日本という国の素晴らしさを映画を通して、日本人に感じて欲しかったと製作のきっかけを語りました。

教育映画ではないので、まずは楽しんでみて欲しい、というすずき監督、会場からの“作品の概要からすると、「楽しむ」というのは難しいのでは?”という質問には、「なかなか難しい質問ですね。」と苦笑いを浮かべながらも、「映画の楽しさというのはさまざまな要素があるし、笑えるだけが楽しいというわけでもないので、感情移入ができるかどうかということだと思います。少しでも海外のことに興味がある人、(海外に)生活している人たちのことに少しでも興味がある人にとっては、日系人という存在自体が、その存在のことを知るだけでもかなりおもしろいと思うんですね。そういった意味でも「楽しんで」欲しいです。」
撮影所に所属し、娯楽映画の基礎を叩き込まれたという監督、「映画を見て楽しんでいただくためには、いい音楽が必要だろうということで」、前作から引き続き喜多郎さんを音楽に起用されました。

喜多郎さんは、「すずきじゅんいち監督は、音楽を、僕が見ても本当によく合ってるなというくらいにちゃんと選んでいただいています。ひょっとしたら、すずきじゅんいち監督の方がいい音楽家かもしれません(笑)」と絶賛、「日本人のスピリチュアリティというか、心をもう少し浄化していきたいなというのが私の願い、祈りであります」と、音楽に込められている想いを語りました。

監督と名前が似ているという製作総指揮を担当した鈴木隆一さんは、「私(の名前)は漢字になっています(笑)」と前置き、2011年にアメリカでわずかな人にしか与えられない勲章、議会名誉黄金勲章と呼ばれる勲章(金鵄勲章にあたる勲章)が、442部隊全員に、大統領が授与式を行い、贈られることを報告、「アメリカ国籍でありながら開戦と同時に収容所へ送られた、当時の日系人のドキュメンタリーを私としてはぜひ日本人に、現代の日本人に観ていただきたい」と熱く語り、「この映画は、戦争というのは何かという本質も問うていると思っています」と締めくくりました。
©2010 TIFF


『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』
→作品詳細



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