Home > ニュース > 第5回映画批評家プロジェクトの表彰式が行われました。
ニュース一覧へ 前のページへ戻る previous next
2011.03.01
[更新/お知らせ]
第5回映画批評家プロジェクトの表彰式が行われました。

2011年2月22日、東京国際映画祭事務局にて、第5回映画批評家プロジェクトの表彰式が行われました。

今回、佳作に入賞した鎌田亜子さん、斉藤賢弘さん、古川 徹さんの3名に、審査委員の品田雄吉さん、土屋好生さん、明智惠子キネマ旬報編集長からそれぞれ表彰状が授与されました。
©2011 TIFF

授与にあたり、審査委員から選評と入賞者へのアドバイスをいただきました。
品田雄吉さん
「今回入賞した皆さんの作品は非常に良く書けていました。
映画をただ見ているのでは、映画の見方が進化しません。作品を見るだけで終わりというのは誰でも出来ることです。見た作品を自分で咀嚼して、どんなふうにまとめるかには書くことが良いです。
継続することが大切です。今後どのような道を選ばれても、皆さんのご健筆を期待しております。」

土屋好生さん
「入賞作品には昨年と大きな差はなかったように思います。
応募作品の中では、解説文のようなものが多かったように思いました。自戒も込めての言葉となりますが、批評するということは、自分で掘り下げて、自分の文体を持ち、自分の意見をまとめるということです。
これからもどうか書き続けてください。」

明智惠子キネマ旬報編集長
「(キネマ旬報編集長という立場も含め)批評が活性化しないと映画には良くないです。映画を見ること、感想を言うこと、情報を提供するだけなら誰でも出来ることが多くあります。
そこから、自分がどこにもない言葉で何を見つけることが出来るかということが、批評にとって大事なことです。
これまでの日本映画では、品田さんや土屋さんが書いたものから(影響を受け)、作り手が変化して作品を生み、その(作品に対する)批評がさらにあって、そこからまた作り手が成長したという歴史を持っています。
そのような意識で映画を見ることで、映画自体も変化すると思っています。書いていく、書き続けるということは簡単ではありませんが、続けてください。」

審査委員の皆さまからの温かい言葉をいただいた入賞者の方からも今回の受賞に対してのコメントをいただきました。
まずは、
斉藤賢弘さん(矢田部PDのブログは欠かさずチェックしているそうです。)
「今回、初めての応募で受賞できたということは驚きでありますが、とてもうれしいです。
文章は自分の経験の中からしか生まれてこないと思っています。寄り添えるような作品を見た時の感情をいかにして映画に重ね合わせられるかをこれからも考えていきたいです。」

古川 徹さん(今回の授賞式が4回目の参加、合わせて殿堂入りも発表されました。)
「プロやアマチュアということにこだわるつもりはありません。映画を見て、その作品の良さをどれだけの映画ファンが本当に理解しているのかなと思うことがあります。
自分の映画評を見て、その作品を見たいと思ってくれる人が一人でもあらわれるように、自分なりの解釈で映画の良さを伝える、ということを模索し続け、これからも努力していきたいです。」

鎌田亜子さん
「映画が大好きで、映画とつながりたいといつも思っていました。
自分の書いた批評が、誰かに読んでもらえるということが感動的です。さらにこのような評価もしていただけて本当にうれしいです。映画祭では(この批評を書いた)1作しか見ることが出来なかったのですが、良い映画に出会えてとてもうれしいです。ありがとうございました!」
鎌田さんのコメント途中に感極まり流された涙に、審査委員、事務局スタッフ全員が感動しました。

皆さんからの素晴らしいコメントの後、授賞式は事務局スタッフも交えての歓談。品田さん、土屋さん、明智さんからの貴重な映画裏話や過去の体験談を伺えたことは、入賞者だけの特典ですね。

今回の批評家プロジェクト結果発表の際にもお知らせいたしましたが、『映画批評家プロジェクト』は今回で終了させていただくことになりました。今後はより一層企画の充実を図り、また新しい形で映画人の育成に貢献できればと思っております。
これまで、批評家プロジェクトにご応募いただいた皆様、誠にありがとうございました!

入賞者の皆さん 左から鎌田亜子さん、斉藤賢弘さん、古川 徹さん。おめでとうございます!
©2011 TIFF

第5回批評家プロジェクト入賞作品はコチラから

第4回入賞作品
第3回入賞作品

previous next
KEIRIN.JP本映画祭は、競輪の補助を受けて開催します。TIFF History
第22回 東京国際映画祭(2009年度)