2010.10.24
[イベントレポート]
10/24(日)『ズーム・ハンティング』Q&A @TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen5
台湾映画新時代は、新たなる“ジャンル”を確立させたのか?
新感覚のサスペンス&ミステリー『ズーム・ハンティング』から、主演のチャン・チュンニンさんが来日。作品の上映終了後にQ&Aを行いました。
まずは、チャン・チュンニンさんからのごあいさつ。
チャンさん:ミナサンコンバンワ(日本語で)。今日は夜遅くにもかかわらず、わざわざ私たちの映画を観にきていただきまして、どうもありがとうございます。このQ&Aの時間が、皆様にとって有意義な時間になりますように。今回は、私にとって2回目の東京国際映画祭です。1回目は2004年の『夢遊ハワイ』でした。また、この場に帰ってこれてうれしいです。
引き続き、観客の皆様からの質問タイム。質問される方を指名するのは、チャン・チュンニンさんご本人。
Q1:テレビドラマと映画の、演技の仕方の違いは?
チャンさん:役を演じるという意味では、基本的には同じことだと思います。ですが、テレビは画面サイズが小さい分、クローズアップのショットが多いので、それは意識して、細かい表情の演技に気をつけています。また、映画では、どちらかといえば、深みのある演技を求められることが多いですね。
ここで、チャン・チュンニンさんから、質問をされた観客の女性に特別プレゼント。チャンさんのサイン入り『ズームハンティング』ノートを手渡されたお客様は、「(チャンさんの)かわいくて、やさしいところが好き」とおしゃっていました。
Q2:台湾映画でミステリーというのは珍しく、楽しめました。今回、チャン・チュンニンさんが演じられたのは“探偵役”とでもいうべきポジションで、物語の中心人物というよりは、傍観者的な立場での芝居が要求されて、なかなか難しかったのではないですか? あと、これは感想なんですが「自分が運転する車を姉にぶつけてしまった」妹=チャン・チュンニンさんが、じつは一番悪いヤツなんじゃないかと(笑)。
チャンさん:たしかに。私は探偵であると同時に、真犯人だったのかもしれません(笑)。この脚本を読んで、これはいままでにないタイプの台湾映画でしたので、絶対に出演したいと思いました。演じる上で一番難しかったのが、姉との関係性です。表面上はとても仲よく見えますが、その中に秘められた“危うい”部分、これを観客に伝わるよう演じるのが大変でした。
Q3:カメラマン役で苦労した点は? カメラの扱い方など、とても手慣れた感じでしたが。
チャンさん:「手慣れた感じ」といっていただけて、とても嬉しいです。じつは、私は女優になっていなければ、カメラマンになりたいという夢をもっていました。写真を撮るのが大好きなんです。チュオ・リー監督は、最初は私が姉の役を演じるのをイメージしていたそうなんですが、妹の役がカメラマンだと知って、私から監督に「妹を演らせて!」とお願いしました。役作りでは、週に1~2回、1回につき2~3時間ほどプロカメラマンの撮影に同行して、細かい動きを勉強させてもらいました。それこそ、フィルムのセッティングにはじまって、暗室での現像作業などを。台湾南部のコンサート会場に行って、スチール撮影のアシスタントをしたこともありました。
司会:趣味で撮るのはどんな写真ですか?
チャンさん:仕事場や旅行先には、必ずカメラを持参します。私が一番撮りたいのは、人と人とのふれあい。その瞬間に生じる、なにかあたたかいもの、その一瞬をフレームにおさめたいと思います。
司会:映画のように、向かいのビルを盗撮したりは?
チャンさん:(情事のシーンではないですけど)じつは時々撮ってます(苦笑)。父と子が楽しそうにしている姿とかを、こっそりカシャッと。
Q4:私はチャン・チュンニンさんの笑顔が好きなのですが、これまでに観た彼女の映画、『ビバ!監督人生!!』『殺人犯』そして、今回の『ズーム・ハンティング』では、残念ながら、チャン・チュンニンさんの笑顔のカットがほとんどありません。映画に出演される時には、意識的にそのような役を選んでいるのですか?
チャンさん:(質問者に満面の笑みを向けながら)そうなんです。私が大人しくみえるからでしょうか、オファーがくる役のほとんどは「つらく、耐える」ような役ばかりなんです。困ったことに。チュオ・リー監督が、最初に私を姉役をイメージしていたのも、そのためでしょう。ですから、そういった印象を打破するためにも、(笑顔こそなかったですけど)妹役にチャレンジしたという面もあるのです。でも、今日、皆さんは、私がもっと明るいタイプだということをわかってくださいましたよね?(場内から拍手)これからは、もっと楽しい、コミカルな役にも挑戦して、また東京に帰ってきたいと思っています。
Q5:チュオ・リー監督との、撮影中のエピソードを教えてください。
チャンさん:チュオ・リー監督は、雰囲気は男性っぽいんですが、とても可愛いらしい女性です。彼女は物事の判断基準がクリアーで、どういう画を撮りたいのか、リハーサルを数回行えば、私たちにもすぐわかります。そして、普段はとてもおちゃめでいたずら好き。でも本番がはじまると、とても厳しいです。
司会:チャン・チュンニンさんに盗撮される、浮気相手の男性の役名が、エンドロールで“色情男”(※正しくは“偸情男”→浮気男の意味)となっていましたが、現場でもそう呼ばれていたんですか?
チャンさん:たしか役名があったような気がするんですけど・・・誰も覚えていないですね(笑)。監督いわく「人は色々な面をもっている」ということで、あの役については細かい説明があったことを覚えています。演じているのはウェン・シェンハオ(ジェームズ・ウェン/温昇豪)さんという男優なんですが、あの役にぴったりでしたよね(笑)。でも、私はああいうタイプの男性は大嫌いです。
『ズーム・ハンティング』
→作品詳細
新感覚のサスペンス&ミステリー『ズーム・ハンティング』から、主演のチャン・チュンニンさんが来日。作品の上映終了後にQ&Aを行いました。
©2010 TIFF
まずは、チャン・チュンニンさんからのごあいさつ。
チャンさん:ミナサンコンバンワ(日本語で)。今日は夜遅くにもかかわらず、わざわざ私たちの映画を観にきていただきまして、どうもありがとうございます。このQ&Aの時間が、皆様にとって有意義な時間になりますように。今回は、私にとって2回目の東京国際映画祭です。1回目は2004年の『夢遊ハワイ』でした。また、この場に帰ってこれてうれしいです。
引き続き、観客の皆様からの質問タイム。質問される方を指名するのは、チャン・チュンニンさんご本人。
Q1:テレビドラマと映画の、演技の仕方の違いは?
チャンさん:役を演じるという意味では、基本的には同じことだと思います。ですが、テレビは画面サイズが小さい分、クローズアップのショットが多いので、それは意識して、細かい表情の演技に気をつけています。また、映画では、どちらかといえば、深みのある演技を求められることが多いですね。
ここで、チャン・チュンニンさんから、質問をされた観客の女性に特別プレゼント。チャンさんのサイン入り『ズームハンティング』ノートを手渡されたお客様は、「(チャンさんの)かわいくて、やさしいところが好き」とおしゃっていました。
Q2:台湾映画でミステリーというのは珍しく、楽しめました。今回、チャン・チュンニンさんが演じられたのは“探偵役”とでもいうべきポジションで、物語の中心人物というよりは、傍観者的な立場での芝居が要求されて、なかなか難しかったのではないですか? あと、これは感想なんですが「自分が運転する車を姉にぶつけてしまった」妹=チャン・チュンニンさんが、じつは一番悪いヤツなんじゃないかと(笑)。
チャンさん:たしかに。私は探偵であると同時に、真犯人だったのかもしれません(笑)。この脚本を読んで、これはいままでにないタイプの台湾映画でしたので、絶対に出演したいと思いました。演じる上で一番難しかったのが、姉との関係性です。表面上はとても仲よく見えますが、その中に秘められた“危うい”部分、これを観客に伝わるよう演じるのが大変でした。
Q3:カメラマン役で苦労した点は? カメラの扱い方など、とても手慣れた感じでしたが。
チャンさん:「手慣れた感じ」といっていただけて、とても嬉しいです。じつは、私は女優になっていなければ、カメラマンになりたいという夢をもっていました。写真を撮るのが大好きなんです。チュオ・リー監督は、最初は私が姉の役を演じるのをイメージしていたそうなんですが、妹の役がカメラマンだと知って、私から監督に「妹を演らせて!」とお願いしました。役作りでは、週に1~2回、1回につき2~3時間ほどプロカメラマンの撮影に同行して、細かい動きを勉強させてもらいました。それこそ、フィルムのセッティングにはじまって、暗室での現像作業などを。台湾南部のコンサート会場に行って、スチール撮影のアシスタントをしたこともありました。
司会:趣味で撮るのはどんな写真ですか?
チャンさん:仕事場や旅行先には、必ずカメラを持参します。私が一番撮りたいのは、人と人とのふれあい。その瞬間に生じる、なにかあたたかいもの、その一瞬をフレームにおさめたいと思います。
司会:映画のように、向かいのビルを盗撮したりは?
チャンさん:(情事のシーンではないですけど)じつは時々撮ってます(苦笑)。父と子が楽しそうにしている姿とかを、こっそりカシャッと。
Q4:私はチャン・チュンニンさんの笑顔が好きなのですが、これまでに観た彼女の映画、『ビバ!監督人生!!』『殺人犯』そして、今回の『ズーム・ハンティング』では、残念ながら、チャン・チュンニンさんの笑顔のカットがほとんどありません。映画に出演される時には、意識的にそのような役を選んでいるのですか?
チャンさん:(質問者に満面の笑みを向けながら)そうなんです。私が大人しくみえるからでしょうか、オファーがくる役のほとんどは「つらく、耐える」ような役ばかりなんです。困ったことに。チュオ・リー監督が、最初に私を姉役をイメージしていたのも、そのためでしょう。ですから、そういった印象を打破するためにも、(笑顔こそなかったですけど)妹役にチャレンジしたという面もあるのです。でも、今日、皆さんは、私がもっと明るいタイプだということをわかってくださいましたよね?(場内から拍手)これからは、もっと楽しい、コミカルな役にも挑戦して、また東京に帰ってきたいと思っています。
©2010 TIFF
Q5:チュオ・リー監督との、撮影中のエピソードを教えてください。
チャンさん:チュオ・リー監督は、雰囲気は男性っぽいんですが、とても可愛いらしい女性です。彼女は物事の判断基準がクリアーで、どういう画を撮りたいのか、リハーサルを数回行えば、私たちにもすぐわかります。そして、普段はとてもおちゃめでいたずら好き。でも本番がはじまると、とても厳しいです。
司会:チャン・チュンニンさんに盗撮される、浮気相手の男性の役名が、エンドロールで“色情男”(※正しくは“偸情男”→浮気男の意味)となっていましたが、現場でもそう呼ばれていたんですか?
チャンさん:たしか役名があったような気がするんですけど・・・誰も覚えていないですね(笑)。監督いわく「人は色々な面をもっている」ということで、あの役については細かい説明があったことを覚えています。演じているのはウェン・シェンハオ(ジェームズ・ウェン/温昇豪)さんという男優なんですが、あの役にぴったりでしたよね(笑)。でも、私はああいうタイプの男性は大嫌いです。
©2010 TIFF
『ズーム・ハンティング』
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