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2010.10.25
[イベントレポート]
行定勲監督が語る釜山への想い─10/25(月)フレンドシップアワード授与式~アジアの風『カメリア』:Q&A

行定勲監督、韓国のチャン・ジュヌァン監督

 「『アジアの風』多国籍オムニバス」で招待上映された『カメリア』。同作は、釜山国際映画祭に縁のあるアジアの3監督(タイのウィシット・サーサナティアン監督、日本の行定勲監督、韓国のチャン・ジュヌァン監督)を招いて、同映画祭がプロデュースしたオムニバス映画。釜山を舞台に、過去・現在・未来がそれぞれで描かれるという構成となっており、20時~という遅い時間からの上映にも関わらず、詰めかけたアジア映画ファンを魅了しました。

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©2010 TIFF


 上映後には、東京国際映画祭と釜山国際映画祭の交流の架け橋となり、同映画祭で長年ディレクターを務めたキム・ドンホさんの功績を称える「フレンドシップアワード」の授与式が行われ、TIFFの依田巽チェアマンから表彰状とトロフィーが贈られました。ドンホさんは、「当時は日本映画が公式には輸入されていない状況のなかで、釜山国際映画祭では、第1回目から20本近くの日本映画を上映してきました。3年前に依田さんがチェアマンに就任されてからは、それまで競い合うように開催されてきた東京と釜山の映画祭が、お互いを尊重して緊密な関係性をもって運営できるようになりました」と、両映画祭の関係の経緯を説明。「愛をテーマにして釜山国際映画祭が製作した『カメリア』が、TIFFで上映されたこと、観客に受け入れられたことに感謝したい」と、心境を述べました。

 その後に行われたQ&Aには、オムニバスの1編「かもめ」の行定監督が登場。「釜山国際映画祭は、僕にとって恩人のような映画祭。釜山がなかったら、監督としてのここまでのキャリアはなかったと思います」と、自身と釜山国際映画祭との関係性を語り、「“恩返し”として、どんな条件であってもぜひやりたいと思いました」と、作品に参加した経緯を語りました。

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©2010 TIFF


 作品の内容やキャスティングの意図などについて観客からの質問がぶつけられるなかで、監督は「東京で映画を作っていて、ボロボロになった後に釜山に作品を持っていくとすごくパワーをもらえて助けられるんです。日韓を行き来するようになって10年ほど経ちますが、釜山は第2の故郷という想いが強くなっているんです」と彼の地への想いを語り、TIFFでの台湾特集も例に出しながら「あれだけのものを見せられたら、(日本は)アジアと組まないわけにはいかないですよ。俳優はぶつかり合うべきだと思うし、映画祭にはそういう結び付きがたくさんあります」と述べました。

 「日本人が作った脚本に対して、『韓国だとこんな言い方はしない』と向こうの方は言うわけですよ。そうしたら(主演の)ソル・ギョングが一喝したんですね、『それなら行定とやる意味がない』って。『日本人の情緒を入れることができれば、(言い回しがどうだろうが)映画は成立するんだ』って。彼は日本映画の『力道山』に主演してそうしたことを学んだそうなんですが……勉強になりましたね」と撮影を振り返った監督。最後は「タイでも韓国でも公開が決まっているので、ぜひ日本でも公開したいですよね」と、作品への想いでイベントを締めました。

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© 2010 BALCON. Co., Ltd

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