2010.10.24
[イベントレポート]
「自然の美しさに永遠性を与えるためにも、それをフィルムに収めたいと思いました。」-10/24(日)『ゼフィール』:コンペティション公式記者会見
10月24日(日)14:00~ TIFF movie café にて、コンペティション『ゼフィール』公式記者会見が行われました。
この記者会見は、六本木ヒルズ2F TIFF movie café(ヒルズ カフェ/スペース)にて、一般のお客様も入場無料にて、開催されました。
コンペティション記者会見は映画祭期間中、一部の作品を除き、TIFF movie café(ヒルズ カフェ/スペース)にて行われます。
コンペティション作品のQ&Aでもきけなかったお話しが聞けるかもしれない、貴重な機会です!
ぜひ、お立ち寄りください!
スケジュールはコチラ
10月24日(日)14:00~ @TIFF movie café
コンペティション『ゼフィール』公式記者会見
登壇者:ベルマ・バシュ(監督/脚本)、ビロル・アクババ(プロデューサー)、シェイマ・ウズンラル(女優)
※記者会見の内容には、作品内容に触れている箇所がございます。ご注意ください。
Q:初来日だと思いますが、東京の印象は?
ベルマ・バシュ監督:日本の伝統文化には興味がありますし、日本を訪れることは子どもの頃から夢でしたので嬉しいです。もちろん、私達の映画が上映される初の国際的な映画祭なので、とても楽しみです。
シェイマ・ウズンラル(女優):背の高いビルが多いのに驚きます。皆さんにはとても温かく歓迎していただいています。
ビロル・アクババ(プロデューサー):グリーンカーペットを歩かせて頂きましたが、ずっと前から東京に来ているような、心地良さを感じました。
Q:カンヌでも注目された短編を発展するかたちで、今回の長編デビュー作を撮られたと聞いていますが?
バシュ監督:映画のタイトルには、風にまつわる名前を付けています。短編のデビュー作 "Poyraz" はギリシャ神話の北風の神の名前です。"ゼフィール"もギリシャ神話の西風の神です。
アイディアの源は色々あります。ひとつは、私自身の祖父母と山奥で暮らしていた子ども時代です。それから英語での教育を受け始めた頃、とりわけ19世紀のロマン主義文学を勉強したことです。当時読んだ文学作品は、私の子ども時代の思い出と重複する、そんな印象受けました。その後、映画史や現代映画についても勉強しました。
"Poyraz" は、世界60か所の映画祭で上映され、たくさんの人々に受け入れられ、嬉しく思います。作品では、初めて死と向き合うことになる子どもを描きました。実際に死を目前にするのではなく、死という概念との出会いです。抽象概念を持てるのは、12歳くらいになってからだと言われています。それまでは、死というものが理解できず、それはただの恐ろしくよくわからないことなんです。
撮影については、いずれの映画にも両親に係わってもらっていますし、シェイマが主役を演じています。地元で撮影しましたが、子ども時代を思い出せば、風景もずいぶん変わりました。コンクリートの建物がどんどん増えて行き、自然の美しさが保たれていないことが非常に残念です。自然の美しさに永遠性を与えるためにも、それをフィルムに収めたいと思いました。私はものごとをゆっくり行うタイプで、短編も13年もかけて仕上げました。でも『ゼフィール』については、自然が失われていくスピードに追いつかなくてはという観念に後押しされ、私としてはかなり短時間で仕上げることができました。
Q:崖っぷちのシーンなど怖くなかったですか?
シェイマさん:撮影自体は大変でしたし、崖のシーンは崖がすごく高くて怖かったです。
Q:色鮮やかな映画でした。自然も美しかったですが、主人公のゼフィールの服装の色も象徴的だったと思いますが?
バシュ監督:そうですね。最初は、自然の中の野苺の赤だったり、マッシュルームの茶色だったりと、自然と調和した色を纏っています。しかし、母親がやって来た日からは母親のスタイルをまねてグレーやブルーを着るようになります。ですから、はい、お気づきの通り、服装の色にも意味をもたせました。
Q:子どもが死を発見するというテーマですが、どのようにシェイマさんに作品を説明し、撮影を続けたのでしょうか?
バシュ監督:とりわけ子役については、死という現実をあまり生々しく感じず、リラックスした雰囲気で演技ができるように、映画の全貌を伝えずに、つまり台本をすべて見せることなく撮影を進めました。台本の全ページを手にしていたのはプロの俳優、母親役の女優だけで、その他のキャストには、部分的なものしか渡しませんでした。
『ゼフィール』
この記者会見は、六本木ヒルズ2F TIFF movie café(ヒルズ カフェ/スペース)にて、一般のお客様も入場無料にて、開催されました。
コンペティション記者会見は映画祭期間中、一部の作品を除き、TIFF movie café(ヒルズ カフェ/スペース)にて行われます。
コンペティション作品のQ&Aでもきけなかったお話しが聞けるかもしれない、貴重な機会です!
ぜひ、お立ち寄りください!
スケジュールはコチラ
10月24日(日)14:00~ @TIFF movie café
コンペティション『ゼフィール』公式記者会見
登壇者:ベルマ・バシュ(監督/脚本)、ビロル・アクババ(プロデューサー)、シェイマ・ウズンラル(女優)
©2010 TIFF
※記者会見の内容には、作品内容に触れている箇所がございます。ご注意ください。
Q:初来日だと思いますが、東京の印象は?
ベルマ・バシュ監督:日本の伝統文化には興味がありますし、日本を訪れることは子どもの頃から夢でしたので嬉しいです。もちろん、私達の映画が上映される初の国際的な映画祭なので、とても楽しみです。
©2010 TIFF
シェイマ・ウズンラル(女優):背の高いビルが多いのに驚きます。皆さんにはとても温かく歓迎していただいています。
©2010 TIFF
ビロル・アクババ(プロデューサー):グリーンカーペットを歩かせて頂きましたが、ずっと前から東京に来ているような、心地良さを感じました。
©2010 TIFF
Q:カンヌでも注目された短編を発展するかたちで、今回の長編デビュー作を撮られたと聞いていますが?
バシュ監督:映画のタイトルには、風にまつわる名前を付けています。短編のデビュー作 "Poyraz" はギリシャ神話の北風の神の名前です。"ゼフィール"もギリシャ神話の西風の神です。
アイディアの源は色々あります。ひとつは、私自身の祖父母と山奥で暮らしていた子ども時代です。それから英語での教育を受け始めた頃、とりわけ19世紀のロマン主義文学を勉強したことです。当時読んだ文学作品は、私の子ども時代の思い出と重複する、そんな印象受けました。その後、映画史や現代映画についても勉強しました。
"Poyraz" は、世界60か所の映画祭で上映され、たくさんの人々に受け入れられ、嬉しく思います。作品では、初めて死と向き合うことになる子どもを描きました。実際に死を目前にするのではなく、死という概念との出会いです。抽象概念を持てるのは、12歳くらいになってからだと言われています。それまでは、死というものが理解できず、それはただの恐ろしくよくわからないことなんです。
撮影については、いずれの映画にも両親に係わってもらっていますし、シェイマが主役を演じています。地元で撮影しましたが、子ども時代を思い出せば、風景もずいぶん変わりました。コンクリートの建物がどんどん増えて行き、自然の美しさが保たれていないことが非常に残念です。自然の美しさに永遠性を与えるためにも、それをフィルムに収めたいと思いました。私はものごとをゆっくり行うタイプで、短編も13年もかけて仕上げました。でも『ゼフィール』については、自然が失われていくスピードに追いつかなくてはという観念に後押しされ、私としてはかなり短時間で仕上げることができました。
Q:崖っぷちのシーンなど怖くなかったですか?
シェイマさん:撮影自体は大変でしたし、崖のシーンは崖がすごく高くて怖かったです。
Q:色鮮やかな映画でした。自然も美しかったですが、主人公のゼフィールの服装の色も象徴的だったと思いますが?
バシュ監督:そうですね。最初は、自然の中の野苺の赤だったり、マッシュルームの茶色だったりと、自然と調和した色を纏っています。しかし、母親がやって来た日からは母親のスタイルをまねてグレーやブルーを着るようになります。ですから、はい、お気づきの通り、服装の色にも意味をもたせました。
Q:子どもが死を発見するというテーマですが、どのようにシェイマさんに作品を説明し、撮影を続けたのでしょうか?
バシュ監督:とりわけ子役については、死という現実をあまり生々しく感じず、リラックスした雰囲気で演技ができるように、映画の全貌を伝えずに、つまり台本をすべて見せることなく撮影を進めました。台本の全ページを手にしていたのはプロの俳優、母親役の女優だけで、その他のキャストには、部分的なものしか渡しませんでした。
©2010 TIFF
『ゼフィール』
©FiLMiK / FC ISTANBUL, 2010 TURKEY
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