2010.10.27
[イベントレポート]
コンペティション 10/27(水)『そして、地に平和を』公式記者会見
10月27日(水) 17:00~ @TIFF movie café
登壇者 マッテオ・ボトルーニョ (監督/脚本)、ダニエレ・コルッチーニ (監督/脚本)、マウリツィオ・テセイ (俳優)、シモーネ・イゾラ (プロデューサー)
マッテオ・ボトルーニョさん: TIFFに、そしてコンペティション部門に参加できて嬉しく思います。非常に低予算であるにも関わらず、プロの俳優や力のあるプロダクションが参加してくれ、良い仕事ができたと思います。
ダニエレ・コルッチーニさん: この映画は、ローマの現実を描いていて、ローマ方言が使われています。私たちは東洋の映画の影響を受けて育っています。ですから東洋で皆さんを感動させることができれば嬉しく思います。
マウリツィオ・テセイさん: 東京国際映画祭に参加でき、またこの美しい街に来ることができて嬉しく思います。こういった低予算の映画でも、良い作品であれば国際映画祭で上映してもらえるということは、自分達にとって、そしてインディペンデント映画にとって大きな勝利であると思います。
シモーネ・イゾラさん: 東京国際映画祭に参加できることは、大きな満足です。また、今回の映画作りは、人生における大きな経験であるとも思います。インディペンデント映画で、私たちの制作会社「キメラフィルム」の初仕事でした。こうした小さなグループで映画がつくられることはイタリアでもまれなことですので、大変満足しています。
Q: 今回の撮影で、アメリカではスティーブン・ソダーバーグが好んで使っているREDというデジタルビデオカメラを選ばれた理由は?
ボトルーニョさん: 理由は二つありまして、ひとつは経済的な理由で、フィルムで撮ることができませんでした。フィルム以外で非常に大きな可能性のある撮影方法で、ソダーバーグやラース・フォントリアがこれを使っている作品を見てもフィルムとあまり変わりがないと納得できたので、REDを選びました。
テセイさん: 撮影前にテストをしまして、撮影監督のダヴィデ・マンタがREDからプリントを起こして、それで満足できるという結論がでました。正しい選択をしたと思っています。
Q: 脚本を書くにあたって、ゲットー地区の取材に何度か行かれたと思いますが?
コルッチーニさん: 色々なところをロケハンし、子どもの頃から見ていたコロビアーレという郊外の町を選びました。映画の中の大きな長い建物があるところですけれど。この場所を選んだのは、映画の中のいくつかのストーリーを展開するために良いと思ったからです。人口は、14,000人程度ですが、大きな建物に多くの人々が暮らしているのですが、このセメントの怪物のような場所に対して大きな愛情を抱いているということ。
ローマっ子の中でも僕たちがもともと良く知っている場所です。ローマと言えば、コロシアムやサンピエトロ寺院といったもので知られていますが、僕たちが好きなのは、普通に人々の暮らしがあるローマです。郊外にあるこれらの建物は、建設会社の破産などによって未完成のまま残されて、そこに人々が勝手に住んでしまうといった状況があります。その人々も忘れられた存在であり、犯罪も蔓延しています。現実から切り離された「マルコ」の孤独を描くためにも、この1キロにも及ぶ丘の上の建物を舞台にすることが最適であると考えました。
Q: 馴染みのある場所で脚本を書かれたということですが、登場人物のモデルになったような人物はいますか?
コルッチーニさん: 脚本を書く段階で、登場人物の顔は考えていました。脚本は、10~15日という短い期間で書き上げなければならなかったのですが、並行してキャスティングはしていました。ロケハンをして、実際に撮影を開始する段階になって、そこの住人の中に自分達が思い描いていた人物の顔があったんです。バーにいるおじさんですとか、バリスタですとか、働きながらローマ大学で勉強している女の子だとか、それからマスコット的に描かれている知的発達の遅れたミルコという男の子、そういった人物も存在して、非常に不思議な感じがしました。裏を返せば、自分たちの脚本がとても現実的だったということで、それはそれで大きな喜びでした。
Q: その脚本をもらった時マウリツィオ・テセイさんはどのように感じて、どう演じようと思いましたか?
テセイさん: 脚本はすぐに気に入りました。ローマ郊外についても、コロビアーレは知りませんでしたが、僕はローマ郊外生まれですから。僕たちは、ローマの良いところも悪いところもひっくるめてローマを愛しています。登場人物については、自分の周りにいる人たちの全ての要素、つまり性格や特徴を取り入れて、役作りをしました。コロビアーレという場所に関しては、撮影で初めて訪れました。
『そして、地に平和を』
登壇者 マッテオ・ボトルーニョ (監督/脚本)、ダニエレ・コルッチーニ (監督/脚本)、マウリツィオ・テセイ (俳優)、シモーネ・イゾラ (プロデューサー)
©2010 TIFF
マッテオ・ボトルーニョさん: TIFFに、そしてコンペティション部門に参加できて嬉しく思います。非常に低予算であるにも関わらず、プロの俳優や力のあるプロダクションが参加してくれ、良い仕事ができたと思います。
ダニエレ・コルッチーニさん: この映画は、ローマの現実を描いていて、ローマ方言が使われています。私たちは東洋の映画の影響を受けて育っています。ですから東洋で皆さんを感動させることができれば嬉しく思います。
マウリツィオ・テセイさん: 東京国際映画祭に参加でき、またこの美しい街に来ることができて嬉しく思います。こういった低予算の映画でも、良い作品であれば国際映画祭で上映してもらえるということは、自分達にとって、そしてインディペンデント映画にとって大きな勝利であると思います。
シモーネ・イゾラさん: 東京国際映画祭に参加できることは、大きな満足です。また、今回の映画作りは、人生における大きな経験であるとも思います。インディペンデント映画で、私たちの制作会社「キメラフィルム」の初仕事でした。こうした小さなグループで映画がつくられることはイタリアでもまれなことですので、大変満足しています。
Q: 今回の撮影で、アメリカではスティーブン・ソダーバーグが好んで使っているREDというデジタルビデオカメラを選ばれた理由は?
ボトルーニョさん: 理由は二つありまして、ひとつは経済的な理由で、フィルムで撮ることができませんでした。フィルム以外で非常に大きな可能性のある撮影方法で、ソダーバーグやラース・フォントリアがこれを使っている作品を見てもフィルムとあまり変わりがないと納得できたので、REDを選びました。
テセイさん: 撮影前にテストをしまして、撮影監督のダヴィデ・マンタがREDからプリントを起こして、それで満足できるという結論がでました。正しい選択をしたと思っています。
Q: 脚本を書くにあたって、ゲットー地区の取材に何度か行かれたと思いますが?
コルッチーニさん: 色々なところをロケハンし、子どもの頃から見ていたコロビアーレという郊外の町を選びました。映画の中の大きな長い建物があるところですけれど。この場所を選んだのは、映画の中のいくつかのストーリーを展開するために良いと思ったからです。人口は、14,000人程度ですが、大きな建物に多くの人々が暮らしているのですが、このセメントの怪物のような場所に対して大きな愛情を抱いているということ。
ローマっ子の中でも僕たちがもともと良く知っている場所です。ローマと言えば、コロシアムやサンピエトロ寺院といったもので知られていますが、僕たちが好きなのは、普通に人々の暮らしがあるローマです。郊外にあるこれらの建物は、建設会社の破産などによって未完成のまま残されて、そこに人々が勝手に住んでしまうといった状況があります。その人々も忘れられた存在であり、犯罪も蔓延しています。現実から切り離された「マルコ」の孤独を描くためにも、この1キロにも及ぶ丘の上の建物を舞台にすることが最適であると考えました。
Q: 馴染みのある場所で脚本を書かれたということですが、登場人物のモデルになったような人物はいますか?
コルッチーニさん: 脚本を書く段階で、登場人物の顔は考えていました。脚本は、10~15日という短い期間で書き上げなければならなかったのですが、並行してキャスティングはしていました。ロケハンをして、実際に撮影を開始する段階になって、そこの住人の中に自分達が思い描いていた人物の顔があったんです。バーにいるおじさんですとか、バリスタですとか、働きながらローマ大学で勉強している女の子だとか、それからマスコット的に描かれている知的発達の遅れたミルコという男の子、そういった人物も存在して、非常に不思議な感じがしました。裏を返せば、自分たちの脚本がとても現実的だったということで、それはそれで大きな喜びでした。
Q: その脚本をもらった時マウリツィオ・テセイさんはどのように感じて、どう演じようと思いましたか?
テセイさん: 脚本はすぐに気に入りました。ローマ郊外についても、コロビアーレは知りませんでしたが、僕はローマ郊外生まれですから。僕たちは、ローマの良いところも悪いところもひっくるめてローマを愛しています。登場人物については、自分の周りにいる人たちの全ての要素、つまり性格や特徴を取り入れて、役作りをしました。コロビアーレという場所に関しては、撮影で初めて訪れました。
『そして、地に平和を』