2010.10.25
[イベントレポート]
10/25(月)『台北カフェ・ストーリー』Q&A @TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen5
『藍色夏恋』(02)のときめき再び! 誰もが待っていた“あの”グイ・ルンメイが帰ってきた、と噂の『台北カフェ・ストーリー』。このポップでキュートで、でも「ふと人生の意味について考えたくなるような」素敵な作品をつくりあげたシアオ・ヤーチュアン監督と、期待の新進モデル系(不思議ちゃん)女優=リン・チェンシーさん、そしておなじみ中孝介さんが登壇されて、Q&Aが行われました。
まずは、3人からのごあいさつ。
シアオ監督:映画の前半は客席で皆さんと一緒に観ていたんですが、まったく笑い声が起きなかったので、いまちょっと緊張しています。気に入っていただけたらうれしいのですが。
リンさん:ハロー。私はリン・チェンシーです。観に来てくれてありがとうございます(不思議ちゃんムード全開で)。
中さん:今日はありがとうございます。素晴らしい映画なので、これを観て、もっと台湾のことを知ってもらいたいと思います。
まずは、司会者の質問からQ&Aはスタート。
司会:映画の舞台となったカフェが、本当にあるとお聞きしたんですが・・・
シャオ監督:最初は、実際にあるカフェを借りて撮影をしようとしていたんですが、ロケハンを重ねてもイメージに合うところがなかなかなくて。そこで、空き屋を借りて、カフェに改造して撮影を行いました。その店は、映画が完成したいまでも、そのままカフェとして営業を続けています。
司会:お店は流行っているんですか?
シャオ監督:おかげさまで、映画が公開されてからは流行っております(※場所は多少不便なところにあるものの、週末は常に満席状態が続いているようです)。お客様はグイ・ルンメイ&リン・チェンシー姉妹に会いたくていらっしゃるんですが、彼女たちはいつも不在なので「姉のドゥアル(ドリス)はいま、世界旅行に出かけているよ」と説明しています(笑)。
司会:物々交換はやっているんですか?
シャオ監督:残念ながら、それはやっていません。物々交換は、いま私の隣にいる妹・チャンアルのアイデアなのですが、彼女が店にいないのでうまくやれないんですよ(笑)。
司会:(リンさんへ)映画初出演で、主演をされていますが、どんなお気持ちですか?
リンさん:(長考の末)最初はなかなか役に入れなかったのですが、クランクアップしたいまは、もっと撮りたい気分です。この映画の中国語原題は『第三十六個故事』(36番目の物語)というんですが、36個といわず、100個くらい撮りたくなるほど現場は楽しかったです。
司会:中さんは『海角七号―君想う、国境の南』(08)に続く台湾映画出演ですが、その経緯は?
中さん:『海角七号~』の台湾公開時に、公開座談会のようなイベントがありまして、ホウ・シャオシェン監督、シャオ監督と僕の3人で出席したんですね。そのイベント中に「台北市についての映画を撮る」という企画があるという話になりまして、僕にも是非、出てほしいと。シャオ監督は、出演のオファーをされる時に、相手に積み木を渡すそうですね。で、OKだったら、俳優はその積み木にサインを書いて監督にお返しするという。僕もその日に積み木を頂戴して、それからしばらく時間が経ったんですが、正式なオファーがありましたので、積み木にサインをして、現場で監督にお返ししたんです。
引き続き、会場のお客様からの質問タイム。
Q1:妹役にリンさんをキャスティングした理由は?
シャオ監督:姉妹の物語という基本スタイルは最初から決まっていまして、グイ・ルンメイさんの出演も決定事項でした。ただ、グイさんを姉にするか、妹にするかは決まっていなかったんです。また、僕は3年前にリンさんが出演したCMを撮っていまして、独特の魅力がある、いい女優だと思っていました。そこで、ある日の午後にリンさんを呼びまして、グイさんと僕と3人で、何時間かおしゃべりをしたんです。その時のふたりの感じがとても自然で、姉妹のように見えたので、彼女を起用しました。
Q2:グイ・ルンメイさんは、役作りでお菓子作りの練習をされたんですか?
シャオ監督:はい、リアルな感じを出したかったので、彼女に喫茶店に通ってもらって、コーヒーの抽れ方や、お菓子作りの練習をしました。撮影現場でも、グイさんが実際にお菓子をつくっています。このお菓子は、撮影が終了すると僕らスタッフで全部いただきました(笑)。大変美味しかったです。
Q3:グイさんとリンさんの、姉妹の「掛け合い」がとても面白かったです。主人公を姉妹に設定した理由はなんですか?
シャオ監督:アメリカや韓国といった海外の映画祭に参加するたびに「監督は女性だと思っていた」といわれます。なぜかはわからないのですが、思うに、私には姉がふたりいまして、母も含めて、いつも女性の中で生活していたんですね。それが影響して(女性っぽい感性が身について)いるのかもしれません。この『台北カフェ・ストーリー』のテーマは「心理的な価値観」にあります。グイさんとリンさんの姉妹は、一見、対称的な性格に見えますが、人の心の中には、例えばロマンティックな面とリアリスティックな面のような、相反する部分が共存しているものです。映画の最初と最後では、姉妹の価値観がガラリと逆転していますよね。それは、もともとふたりの中にあったものなんですが。そういうものを表現してみたいと思ったんです。
Q4:劇中に登場する35個のストーリーには、それぞれ舞台の都市が設定されています。マドリードのようなメジャーな都市から、レイキャビックやブルキナファソのようなマイナーな(?)町まで。これはどのように選んだのですか?
シャオ監督:じつは、私は35個の町を選んでいないんです。撮影で使いそうな10都市ほどを決めただけなんですよ。ですから、物語にまつわるイラストも、10点ほどしか描いていません。ところが、撮影終了後に、そのイラストレーターが作家を捜してきまして、35の物語と画を完成させています。
司会:(リンさんに)撮影で一番苦労したところはどこですか?
リンさん:(長考後、微笑して)台詞を覚えること、かな。
司会:中さんは、この脚本を読んでどう思われました?
中:物々交換というアイデアが面白いなぁ・・・と思いましたね。
『台北カフェ・ストーリー』
→作品詳細
©2010 TIFF
まずは、3人からのごあいさつ。
シアオ監督:映画の前半は客席で皆さんと一緒に観ていたんですが、まったく笑い声が起きなかったので、いまちょっと緊張しています。気に入っていただけたらうれしいのですが。
©2010 TIFF
リンさん:ハロー。私はリン・チェンシーです。観に来てくれてありがとうございます(不思議ちゃんムード全開で)。
©2010 TIFF
中さん:今日はありがとうございます。素晴らしい映画なので、これを観て、もっと台湾のことを知ってもらいたいと思います。
©2010 TIFF
まずは、司会者の質問からQ&Aはスタート。
司会:映画の舞台となったカフェが、本当にあるとお聞きしたんですが・・・
シャオ監督:最初は、実際にあるカフェを借りて撮影をしようとしていたんですが、ロケハンを重ねてもイメージに合うところがなかなかなくて。そこで、空き屋を借りて、カフェに改造して撮影を行いました。その店は、映画が完成したいまでも、そのままカフェとして営業を続けています。
司会:お店は流行っているんですか?
シャオ監督:おかげさまで、映画が公開されてからは流行っております(※場所は多少不便なところにあるものの、週末は常に満席状態が続いているようです)。お客様はグイ・ルンメイ&リン・チェンシー姉妹に会いたくていらっしゃるんですが、彼女たちはいつも不在なので「姉のドゥアル(ドリス)はいま、世界旅行に出かけているよ」と説明しています(笑)。
司会:物々交換はやっているんですか?
シャオ監督:残念ながら、それはやっていません。物々交換は、いま私の隣にいる妹・チャンアルのアイデアなのですが、彼女が店にいないのでうまくやれないんですよ(笑)。
司会:(リンさんへ)映画初出演で、主演をされていますが、どんなお気持ちですか?
リンさん:(長考の末)最初はなかなか役に入れなかったのですが、クランクアップしたいまは、もっと撮りたい気分です。この映画の中国語原題は『第三十六個故事』(36番目の物語)というんですが、36個といわず、100個くらい撮りたくなるほど現場は楽しかったです。
司会:中さんは『海角七号―君想う、国境の南』(08)に続く台湾映画出演ですが、その経緯は?
中さん:『海角七号~』の台湾公開時に、公開座談会のようなイベントがありまして、ホウ・シャオシェン監督、シャオ監督と僕の3人で出席したんですね。そのイベント中に「台北市についての映画を撮る」という企画があるという話になりまして、僕にも是非、出てほしいと。シャオ監督は、出演のオファーをされる時に、相手に積み木を渡すそうですね。で、OKだったら、俳優はその積み木にサインを書いて監督にお返しするという。僕もその日に積み木を頂戴して、それからしばらく時間が経ったんですが、正式なオファーがありましたので、積み木にサインをして、現場で監督にお返ししたんです。
引き続き、会場のお客様からの質問タイム。
Q1:妹役にリンさんをキャスティングした理由は?
シャオ監督:姉妹の物語という基本スタイルは最初から決まっていまして、グイ・ルンメイさんの出演も決定事項でした。ただ、グイさんを姉にするか、妹にするかは決まっていなかったんです。また、僕は3年前にリンさんが出演したCMを撮っていまして、独特の魅力がある、いい女優だと思っていました。そこで、ある日の午後にリンさんを呼びまして、グイさんと僕と3人で、何時間かおしゃべりをしたんです。その時のふたりの感じがとても自然で、姉妹のように見えたので、彼女を起用しました。
Q2:グイ・ルンメイさんは、役作りでお菓子作りの練習をされたんですか?
シャオ監督:はい、リアルな感じを出したかったので、彼女に喫茶店に通ってもらって、コーヒーの抽れ方や、お菓子作りの練習をしました。撮影現場でも、グイさんが実際にお菓子をつくっています。このお菓子は、撮影が終了すると僕らスタッフで全部いただきました(笑)。大変美味しかったです。
Q3:グイさんとリンさんの、姉妹の「掛け合い」がとても面白かったです。主人公を姉妹に設定した理由はなんですか?
シャオ監督:アメリカや韓国といった海外の映画祭に参加するたびに「監督は女性だと思っていた」といわれます。なぜかはわからないのですが、思うに、私には姉がふたりいまして、母も含めて、いつも女性の中で生活していたんですね。それが影響して(女性っぽい感性が身について)いるのかもしれません。この『台北カフェ・ストーリー』のテーマは「心理的な価値観」にあります。グイさんとリンさんの姉妹は、一見、対称的な性格に見えますが、人の心の中には、例えばロマンティックな面とリアリスティックな面のような、相反する部分が共存しているものです。映画の最初と最後では、姉妹の価値観がガラリと逆転していますよね。それは、もともとふたりの中にあったものなんですが。そういうものを表現してみたいと思ったんです。
Q4:劇中に登場する35個のストーリーには、それぞれ舞台の都市が設定されています。マドリードのようなメジャーな都市から、レイキャビックやブルキナファソのようなマイナーな(?)町まで。これはどのように選んだのですか?
シャオ監督:じつは、私は35個の町を選んでいないんです。撮影で使いそうな10都市ほどを決めただけなんですよ。ですから、物語にまつわるイラストも、10点ほどしか描いていません。ところが、撮影終了後に、そのイラストレーターが作家を捜してきまして、35の物語と画を完成させています。
司会:(リンさんに)撮影で一番苦労したところはどこですか?
リンさん:(長考後、微笑して)台詞を覚えること、かな。
司会:中さんは、この脚本を読んでどう思われました?
中:物々交換というアイデアが面白いなぁ・・・と思いましたね。
『台北カフェ・ストーリー』
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