2010.10.24
[イベントレポート]
10/24(日)『ジュリエット』Q&A @TOHOシネマズ六本木ヒルズ Screen5
“アジアの風”部門のスペシャル企画=“台湾電影ルネッサンス2010”で上映される6本の中でも、ピッカピカの最新作が『ジュリエット』。そのワールドプレミア上映の直後に、プロデューサーのリー・ガンさん、第1話『ジュリエットの選択』から、監督のホウ・チーランさんと主演のビビアン・スーさんが登壇され、Q&Aが行われました。
まずは観客の皆様へごあいさつ、ということで、マイクをとったのがリー・ガンさん。「世界初の観客」を目の前にして、反応が心配といっていたリー・ガンさんですが、次第にテンションが上がってきたのか、もぉとにかくしゃべるしゃべる(笑)。
『ジュリエット』と同じく(台湾では珍しい)オムニバス映画で、台湾新電影を代表する1本である『坊やの人形』(83)の紹介からはじまって、2008年頃からの台湾映画の“復活”を、かつての新電影ムーヴメントと比較して論評。『ジュリエット』の3監督を(チェン・ユーシュン監督を多めに)賞賛しつつ紹介したかと思えば、台湾映画が「これまでの個人映画のような世界から、産業として成熟する」ことへの期待を吐露。隣に立つビビアンを絶賛した後で、他の2話の俳優を紹介するという具合。時には軽く脱線しつつも、論客としても名高いリー・ガン節を披露したのでした。
しかしながら、ここで既に15分が経過。Q&Aの予定時間は30分。場内にちょっとだけ、不安な空気が流れます。
続いてマイクをとったのがホウ監督。直前までニューヨークにいらした監督が、TOHOシネマズに到着したのは1時間前とのこと。『ジュリエット』の現場は「基本的には楽しくて、ちょっとだけ大変」だったそうで、この経験によって「映画監督として成長できたと思う」と語っておられました。また、遠慮されて(?)ご自身の紹介をされなかったリー・ガンさんにかわって、監督が彼の功績を讃えながら、その人となりをご紹介。また、リー・ガンさんと同じく、ビビアンの演技力をベタぼめした監督は「ビビアンの役は、当初は平凡な女性だったのですが、彼女のアイデアで、脳性麻痺の障害で足が悪いという、現在の設定が加わりました」と、創作面でのサポートについても語られたのでした。
この時点で20分が経過。
そして、最後にマイクを握ったのがビビアン・スーさん。なぜかいきなりテレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』を歌いはじめたビビアンは、最後は客席にマイクを向けての大合唱状態に。そのリサイタルが一段落した後は、客席で一緒に『ジュリエット』を鑑賞したが、第1話は自分が出演しているので緊張して観ていたものの、第2話では号泣、3話では大爆笑。でも「チェン・ユーシュン監督は、ひとりでおいしいトコを持っていってずるい!」と、会場の笑いを誘っていました。
また、彼女の演じた役はとても難しかったそうですが、信頼して任せてくれた監督に感謝。障害者役の練習期間は4日しかなかったため、プライベートな時間も歩行補助装置を足につけ、杖をついて歩いていたところ、がんばりすぎて逆に足を痛めてしまい、一転、短期の車イス生活に。現場には医者が常駐していたといった、プロ意識あふれるエピソードも披露してくださいました。
いよいよ時間は25分が経過していましたが、ここから先はお客様からの質問タイムに。
Q1:3話すべてで、ジュリエット役が「赤いもの」を身につけているのはなぜでしょう?
リー・ガンさん「撮影準備中に、3話に共通する“何か”を設定しようという声が挙がりました。例えば、主人公を同じ人物にする、3話全部に登場するキャラクターをつくるなど、色々と考えたのですが、結局はうまくいきませんでした。
ホウ監督:ところが、映画が完成してみたら、1話目のジュリエットは赤い服を身につけ、2話目のジュリエットは赤いカバンを持ち、3話目のジュリエットは赤い矯正下着(笑)をつけていたんです。なんという偶然でしょう!
Q2:(ビビアンへ)次にやってみたい役は?
ビビアン:今回はちょっと怖い役だったので、次はもっと怖い役を。オバケとかいいかも。いずれにしても、極端な役がいいです。すっごく笑わせる、泣かせる、怖がらせる。そうでなければ、テレサ・テンさんのような、すごい歌手の一生を演じてみたいです。
約15分間時間をオーバーして、楽しい時間は終わったのでした。
『ジュリエット』
→作品詳細
©2010 TIFF
まずは観客の皆様へごあいさつ、ということで、マイクをとったのがリー・ガンさん。「世界初の観客」を目の前にして、反応が心配といっていたリー・ガンさんですが、次第にテンションが上がってきたのか、もぉとにかくしゃべるしゃべる(笑)。
『ジュリエット』と同じく(台湾では珍しい)オムニバス映画で、台湾新電影を代表する1本である『坊やの人形』(83)の紹介からはじまって、2008年頃からの台湾映画の“復活”を、かつての新電影ムーヴメントと比較して論評。『ジュリエット』の3監督を(チェン・ユーシュン監督を多めに)賞賛しつつ紹介したかと思えば、台湾映画が「これまでの個人映画のような世界から、産業として成熟する」ことへの期待を吐露。隣に立つビビアンを絶賛した後で、他の2話の俳優を紹介するという具合。時には軽く脱線しつつも、論客としても名高いリー・ガン節を披露したのでした。
しかしながら、ここで既に15分が経過。Q&Aの予定時間は30分。場内にちょっとだけ、不安な空気が流れます。
続いてマイクをとったのがホウ監督。直前までニューヨークにいらした監督が、TOHOシネマズに到着したのは1時間前とのこと。『ジュリエット』の現場は「基本的には楽しくて、ちょっとだけ大変」だったそうで、この経験によって「映画監督として成長できたと思う」と語っておられました。また、遠慮されて(?)ご自身の紹介をされなかったリー・ガンさんにかわって、監督が彼の功績を讃えながら、その人となりをご紹介。また、リー・ガンさんと同じく、ビビアンの演技力をベタぼめした監督は「ビビアンの役は、当初は平凡な女性だったのですが、彼女のアイデアで、脳性麻痺の障害で足が悪いという、現在の設定が加わりました」と、創作面でのサポートについても語られたのでした。
この時点で20分が経過。
そして、最後にマイクを握ったのがビビアン・スーさん。なぜかいきなりテレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』を歌いはじめたビビアンは、最後は客席にマイクを向けての大合唱状態に。そのリサイタルが一段落した後は、客席で一緒に『ジュリエット』を鑑賞したが、第1話は自分が出演しているので緊張して観ていたものの、第2話では号泣、3話では大爆笑。でも「チェン・ユーシュン監督は、ひとりでおいしいトコを持っていってずるい!」と、会場の笑いを誘っていました。
また、彼女の演じた役はとても難しかったそうですが、信頼して任せてくれた監督に感謝。障害者役の練習期間は4日しかなかったため、プライベートな時間も歩行補助装置を足につけ、杖をついて歩いていたところ、がんばりすぎて逆に足を痛めてしまい、一転、短期の車イス生活に。現場には医者が常駐していたといった、プロ意識あふれるエピソードも披露してくださいました。
©2010 TIFF
いよいよ時間は25分が経過していましたが、ここから先はお客様からの質問タイムに。
Q1:3話すべてで、ジュリエット役が「赤いもの」を身につけているのはなぜでしょう?
リー・ガンさん「撮影準備中に、3話に共通する“何か”を設定しようという声が挙がりました。例えば、主人公を同じ人物にする、3話全部に登場するキャラクターをつくるなど、色々と考えたのですが、結局はうまくいきませんでした。
ホウ監督:ところが、映画が完成してみたら、1話目のジュリエットは赤い服を身につけ、2話目のジュリエットは赤いカバンを持ち、3話目のジュリエットは赤い矯正下着(笑)をつけていたんです。なんという偶然でしょう!
Q2:(ビビアンへ)次にやってみたい役は?
ビビアン:今回はちょっと怖い役だったので、次はもっと怖い役を。オバケとかいいかも。いずれにしても、極端な役がいいです。すっごく笑わせる、泣かせる、怖がらせる。そうでなければ、テレサ・テンさんのような、すごい歌手の一生を演じてみたいです。
約15分間時間をオーバーして、楽しい時間は終わったのでした。
©2010 TIFF
『ジュリエット』
→作品詳細