2010.10.25
[イベントレポート]
10/25(月)コンペティション『小学校!』公式記者会見のご報告
■10月25日(月) 15:15~ @TIFF movie café
■登壇者:フランシスコ・アルフォンシン(俳優/プロデューサ/共同脚本)、ダン・ウネケン(プロデューサー)
ダン・ウネケンさん: 東京国際映画祭に参加できること、非常にワクワクしています。私共は、スペインの小さな映画制作会社ですが、ファンタスティックな街で開催される国際的な映画祭において多くの素晴らしい作品と共に我々の映画が紹介されることを大変嬉しく思います。
フランシスコ・アルフォンシンさん(以下、アルフォンシンさん): 夢のような、光栄なことです。この作品は、イバン・ノエル監督が小学校教師をした時の体験を映画にしたいという小さな夢から始まりました。映画ができたこと自体素晴らしいことですが、映画祭に参加できるということはまるで夢のようです。
Q:ステージに絵が展示されていますが、これについてご説明ください。
アルフォンシンさん: これらは、映画に出て来た絵です。全てはノエル監督が小学校の美術の先生の仕事を引き受けたことから始まりました。1年が経ち、彼は小学校での体験を映画にしたいと、子ども達の想像力と独創性に溢れる世界を映画にしたいと思ったんです。この作品は、ほぼドキュメンタリーのようなものです。脚本はあってないようなもので、子ども達に台詞を言わせたりといったことはせず、全て子ども達の本物のことばであり、子ども達のありのままの姿です。映画に出てくる絵も、実際に彼のクラスの子ども達が描いたものです。映画の中の出来事の何もかもが、実際に監督が教師として体験したことなんです。フィクション的な要素としては、登場する大人たち、つまり教師達を取り巻く背景の物語で、その他は実際に起きた出来事です。大人たちは額縁にすぎず、子どもたちはその中に飾られている絵、そういった意識で映画を制作しました。
Q:子ども達の演技が本当に自然に見えました。90%以上自由に演技させていたということでしょうか?
アルフォンシンさん: はい、台本はなく、監督の「アクション!」の一言に始まり30~45分カメラを回しました。つまり、子ども達が普通に授業を受けている姿を撮ったわけです。子どもたちが撮られているという意識をせずにいられるように、カメラも一見スチールカメラに見えるようなキャノンのマークⅡを3台ほど使いました。台詞を覚えることもなく、立ち位置が決められているわけでもなく、「スタート」「ストップ」といった掛け声を入れることもなく、撮り続けました。唯一指導したことと言えば、「今日はこのような設定で撮ります」といったような、大まかなシチュエーションについて説明したことくらいです。
Q:小学校を舞台にしているわけですが、1年生から6年生までいる中で、何故7~8歳の子ども達を選ばれたのでしょうか?
アルフォンシンさん: 単純な理由で、あの子ども達が、実際監督の教え子だったんですよ。彼が1年間教えたクラスの子ども達なんです。
Q:ミラクルな瞬間だらけの映画だなと思いました。大人は、額縁だということですが、大人のシチュエーションもおもしろくて、日本では見られないようなことがたくさん含まれていて、感動しました。その辺りのシチュエーションをどのように決めて行ったのでしょうか?
アルフォンシンさん: 監督の実体験からです。3ヵ月に一度のミーティング、教師間の対立、教職に対する姿勢など、色々な体験談を参考にしました。その中から人物像を3つ選びました。辛辣な女性教師、積極的でやる気満々の若手女性教師、それから教職とは異なる世界からやって来た人物です。つまりイバンです。彼は、20年も教育関係の職に就いていましたが、映画監督でもあります。ですからイバン自体の役どころを、大学からやって来たというよりは、外の世界からやって来た人物のように描き、それを今回僕が演じました。
息子を亡くしているホセ・マリア、4人子どもがいてまた妊娠する子沢山の母親でもある教師、ティーンエイジャーの息子の扱いに悩んでいる年配の教師・・・ただ、教師達の子どもと、学校の子どもとのことを深く描いてしまうと本筋からそれてしまうので、それらの背景情報をあえて匂わせる程度に留めました。
Q:子ども達はアルフォンシンさんのことを俳優として見ていましたか、それとも先生として見ていましたか?
アルフォンシンさん: 監督は、即興が大切だということを念頭において撮影していましたので、僕が子ども達に初めて会ったのも、正にこのオープニングシーンの撮影現場でのことでした。本当の先生であった監督もそこにいたわけですから、子ども達は彼のイメージを僕に上手く重ねてくれたのだと思います。ですから最終的には、僕のことを本当の先生のように思ってくれていたと思いますよ!
主演のアルフォンシンさんは、監督のこれまでの2本の作品でも主演と共同脚本で参加している盟友。1作目は少年が大人になる成長の過程を描いた作品、2作目は3世代にわたる家族のコミュニケーションの難しさを描いた作品と、いずれも重いテーマの人間ドラマ。そして3作目は、もう少し明るいライトタッチな作品にしようと生まれたのが一般的な小学校の先生と生徒たちの姿を追った物語『小学校!』です。
■登壇者:フランシスコ・アルフォンシン(俳優/プロデューサ/共同脚本)、ダン・ウネケン(プロデューサー)
©2010 TIFF
ダン・ウネケンさん: 東京国際映画祭に参加できること、非常にワクワクしています。私共は、スペインの小さな映画制作会社ですが、ファンタスティックな街で開催される国際的な映画祭において多くの素晴らしい作品と共に我々の映画が紹介されることを大変嬉しく思います。
フランシスコ・アルフォンシンさん(以下、アルフォンシンさん): 夢のような、光栄なことです。この作品は、イバン・ノエル監督が小学校教師をした時の体験を映画にしたいという小さな夢から始まりました。映画ができたこと自体素晴らしいことですが、映画祭に参加できるということはまるで夢のようです。
Q:ステージに絵が展示されていますが、これについてご説明ください。
アルフォンシンさん: これらは、映画に出て来た絵です。全てはノエル監督が小学校の美術の先生の仕事を引き受けたことから始まりました。1年が経ち、彼は小学校での体験を映画にしたいと、子ども達の想像力と独創性に溢れる世界を映画にしたいと思ったんです。この作品は、ほぼドキュメンタリーのようなものです。脚本はあってないようなもので、子ども達に台詞を言わせたりといったことはせず、全て子ども達の本物のことばであり、子ども達のありのままの姿です。映画に出てくる絵も、実際に彼のクラスの子ども達が描いたものです。映画の中の出来事の何もかもが、実際に監督が教師として体験したことなんです。フィクション的な要素としては、登場する大人たち、つまり教師達を取り巻く背景の物語で、その他は実際に起きた出来事です。大人たちは額縁にすぎず、子どもたちはその中に飾られている絵、そういった意識で映画を制作しました。
Q:子ども達の演技が本当に自然に見えました。90%以上自由に演技させていたということでしょうか?
アルフォンシンさん: はい、台本はなく、監督の「アクション!」の一言に始まり30~45分カメラを回しました。つまり、子ども達が普通に授業を受けている姿を撮ったわけです。子どもたちが撮られているという意識をせずにいられるように、カメラも一見スチールカメラに見えるようなキャノンのマークⅡを3台ほど使いました。台詞を覚えることもなく、立ち位置が決められているわけでもなく、「スタート」「ストップ」といった掛け声を入れることもなく、撮り続けました。唯一指導したことと言えば、「今日はこのような設定で撮ります」といったような、大まかなシチュエーションについて説明したことくらいです。
Q:小学校を舞台にしているわけですが、1年生から6年生までいる中で、何故7~8歳の子ども達を選ばれたのでしょうか?
アルフォンシンさん: 単純な理由で、あの子ども達が、実際監督の教え子だったんですよ。彼が1年間教えたクラスの子ども達なんです。
Q:ミラクルな瞬間だらけの映画だなと思いました。大人は、額縁だということですが、大人のシチュエーションもおもしろくて、日本では見られないようなことがたくさん含まれていて、感動しました。その辺りのシチュエーションをどのように決めて行ったのでしょうか?
アルフォンシンさん: 監督の実体験からです。3ヵ月に一度のミーティング、教師間の対立、教職に対する姿勢など、色々な体験談を参考にしました。その中から人物像を3つ選びました。辛辣な女性教師、積極的でやる気満々の若手女性教師、それから教職とは異なる世界からやって来た人物です。つまりイバンです。彼は、20年も教育関係の職に就いていましたが、映画監督でもあります。ですからイバン自体の役どころを、大学からやって来たというよりは、外の世界からやって来た人物のように描き、それを今回僕が演じました。
息子を亡くしているホセ・マリア、4人子どもがいてまた妊娠する子沢山の母親でもある教師、ティーンエイジャーの息子の扱いに悩んでいる年配の教師・・・ただ、教師達の子どもと、学校の子どもとのことを深く描いてしまうと本筋からそれてしまうので、それらの背景情報をあえて匂わせる程度に留めました。
Q:子ども達はアルフォンシンさんのことを俳優として見ていましたか、それとも先生として見ていましたか?
アルフォンシンさん: 監督は、即興が大切だということを念頭において撮影していましたので、僕が子ども達に初めて会ったのも、正にこのオープニングシーンの撮影現場でのことでした。本当の先生であった監督もそこにいたわけですから、子ども達は彼のイメージを僕に上手く重ねてくれたのだと思います。ですから最終的には、僕のことを本当の先生のように思ってくれていたと思いますよ!
主演のアルフォンシンさんは、監督のこれまでの2本の作品でも主演と共同脚本で参加している盟友。1作目は少年が大人になる成長の過程を描いた作品、2作目は3世代にわたる家族のコミュニケーションの難しさを描いた作品と、いずれも重いテーマの人間ドラマ。そして3作目は、もう少し明るいライトタッチな作品にしようと生まれたのが一般的な小学校の先生と生徒たちの姿を追った物語『小学校!』です。