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2010.12.14
[更新/お知らせ]
第23回TIFFアジアの風出品作品『モンガに散る』含む5作品が、台湾・金馬奨で大量受賞!!

2010年11月20日に開催された「台湾のアカデミー賞」と呼ばれる金馬奨にて、第23回東京国際映画祭アジアの風出品作品が、数々の賞を受賞しました!

モンガに散る
最優秀主演男優賞:イーサン・ルアン
最優秀音響効果賞:トゥー・ドゥチー
年度台湾優秀映画人賞:リー・リエ
(『モンガに散る』:2010年12月18日(土)より東京・シネマスクエアとうきゅう 他にて、全国順次ロードショー)

4枚目の似顔絵
最優秀監督賞:チョン・モンホン
最優秀助演女優賞:ハオ・レイ
年度台湾優秀映画賞

ジュリエット
最優秀新人俳優賞:リー・チエンナー

台北カフェ・ストーリー
最優秀主題歌賞:第36個故事『台北カフェ・ストーリー』 詞・曲・歌=雷光夏(サマー・レイ)

イップ・マン 葉問
最優秀アクション賞:サモ・ハン・キンポー
(『イップ・マン 葉問』:2011年1月22日(土)より東京・新宿武蔵野館にて、ロードショー)

今回は、台湾より特別レポートを掲載します!画像とあわせて、現地レポートをどうぞ!

TIFF出品作品が台湾・金馬奨で大量受賞!!
Text & Photo by 杉山亮一

去る2010年11月20日に台湾の空の玄関口・桃園で開催された「台湾のアカデミー賞」=金馬奨で、第23回東京国際映画祭(TIFF)にて上映された作品の数々が賞に輝きました。

ご存じない方のために、まずは金馬奨の前提条件をご説明させていただきますと、この賞は台湾最大の映画賞ではあるのですが、その授賞対象となる作品は、じつは台湾映画だけではありません。各映画会社からエントリーされた、(主に)中国語の台詞で構成された作品を対象として候補作品が選出されます。そのため、中国映画や香港映画が「台湾映画をおしのけて」受賞をするケースもあるのです。

といいますか、「受賞をするケースも」と、ちょっとやさしいトーンで書いてしまいましたが、90年代後半以降の台湾映画冬の時代、金馬奨の歴史は「台湾映画が中国映画や香港映画に負け続ける」歴史だったといっても過言ではないでしょう。

さて、今年の金馬奨ノミネート作(で、TIFFで上映されたもの)は以下の通りです。

4枚目の似顔絵』 監督賞ほか、計8部門ノミネート
モンガに散る』 主演男優賞ほか、計6部門ノミネート
台北カフェ・ストーリー』 主題歌賞ほか、計2部門ノミネート
ジュリエット』 新人俳優賞ノミネート
イップ・マン 葉問』 アクション賞ノミネート
ギャランツ~シニアドラゴン龍虎激闘』 アクション賞ノミネート
恋の紫煙』 衣装デザイン賞ノミネート
ブッダ・マウンテン』 主演女優賞ノミネート
『ボディガード&アサシンズ(原題)』 作品賞ほか、計9部門ノミネート ※提携企画 2010東京・中国映画週間で上映

加えて、今年の東京フィルメックスで上映された『愛が訪れる時』が作品賞をはじめ15部門、アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された『お父ちゃんの初七日』が助演男優賞をはじめ7部門、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映された『透析』がオリジナル脚本賞をはじめ3部門、昨年のNHK アジア・フィルム・フェスティバルで上映された『ピノイ・サンデー』が新人監督賞をはじめ2部門、ロードショー公開中の『スプリング・フィーバー』が音楽賞をはじめ4部門、そして2011年3月公開予定の『唐山大地震』が主演女優賞をはじめ3部門でノミネートと、日本でも「馴染み深い」作品が多数名を連ねていたのが今回の特色です。

では、注目の受賞結果をご紹介。

最優秀作品賞:『愛が訪れる時』
最優秀監督賞:チョン・モンホン『4枚目の似顔絵』
最優秀新人監督賞:何蔚庭(ホー・ウィーディン ※NHK アジア・フィルム・フェスティバルでは“ウィ・ディン・ホー”と表記)『ピノイ・サンデー』
最優秀主演男優賞:イーサン・ルアン『モンガに散る』
最優秀主演女優賞:呂麗萍(ルー・リーピン)『玩酷青春』
最優秀助演男優賞:ウー・ポンフォン『お父ちゃんの初七日』
最優秀助演女優賞:ハオ・レイ『4枚目の似顔絵』
最優秀新人俳優賞:リー・チエンナー『ジュリエット』
最優秀オリジナル脚本賞:高山/劉杰『透析』
最優秀脚色賞:劉梓潔(エッセイ・リウ) 『お父ちゃんの初七日』
最優秀撮影賞:張展『愛が訪れる時』
最優秀視覚効果賞:南相宇『通天神探狄仁傑』
最優秀美術賞:彭維民『愛が訪れる時』
最優秀衣装デザイン賞:呉里璐(ドーラ・ン)『ボディガード&アサシンズ(原題)』
最優秀アクション賞:サモ・ハン・キンポー『イップ・マン 葉問』
最優秀編集賞:Florence Bresson/翁首鳴(ロビン・ウェン)/曾劍『スプリング・フィーバー』
最優秀音響効果賞:トゥー・ドゥチー『モンガに散る』
最優秀音楽賞:Peyman Yazdanian『スプリング・フィーバー』
最優秀主題歌賞:第36個故事『台北カフェ・ストーリー』 詞・曲・歌=雷光夏(サマー・レイ)
最優秀記録映画賞:『街舞狂潮』
最優秀短編映画賞:『馬嘎巴海』
年度台湾優秀映画賞:『4枚目の似顔絵』
年度台湾優秀映画人賞:リー・リエ『モンガに散る』
終身成就賞:シュー・リーコン
特別貢獻賞:孫越

映画の“国籍”を定めるのが難しい昨今ではありますが、台湾映画と呼ぶべき受賞作(者)を赤字で表示してみました。ほぼ、赤一色ですね。

前段で「台湾映画が中国映画や香港映画に負け続ける」と書いておきながら・・・なのですが、今年は台湾映画の圧勝でした。一部の(台湾以外の)映画関係者から「金馬奨は台湾映画をえこひいきしている」という、かつての惨状を知る人にとっては信じられないような(的外れな)批判も出たほどに、今年の台湾映画は強かったのです。

受賞数だけをみれば、『愛が訪れる時』『4枚目の似顔絵』『モンガに散る』の3強が賞を分け合い、これに『お父ちゃんの初七日』が続くという図式になりそうですが、作品賞と監督賞にはノミネートすらされなかった『モンガに散る』は、今年の金馬奨審査員の評価は「一段落ちる」といっていいかもしれません。
 しかしながら、イーサン・ルアンが影帝(※最優秀主演男優のことを、中国語でこのように呼びます)の座に輝いたという快挙は、今回最大のトピックといえるでしょう。

1999年に柯俊雄が影帝になって以来(※受賞作は『一代梟雄―曹操』。ただし、この受賞には「疑惑の」という枕詞がつくことが多いです)、11年ぶりの台湾人影帝の誕生。さらに、弱冠28歳での受賞は、台湾人俳優としては最年少の影帝ということになるのです(※ちなみに、中国や香港も含めると、2001年に『藍宇(ランユー) 情熱の嵐』で受賞したリウ・イェが、当時23歳で最年少となります)。
もともとアイドル人気の高かったイーサンではありますが、この受賞を期に映画出演のオファーが急増するのは確定的。既にピーター・チャン監督の次回作(※『武侠』の次、ということになるかと思います)への出演も内定しており、金城武に続く「台湾発の」国際的映画スター誕生への期待は、いやがおうにも高まります。

なお、『モンガに散る』をご覧になった方の中には、同作の主役は「どちらかといえば、マーク・チャオの方なのでは?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、金馬奨のノミネートはあくまで「各映画会社からのエントリー」が基本ですので、さまざまな(大人の)事情が勘案されて「今回はイーサンでいこう」という結論に達したのだとご理解ください。

また、今回の受賞結果で議論をまきおこしているのが、『愛が訪れる時』の最優秀作品賞受賞と、『4枚目の似顔絵』の年度台湾優秀映画賞受賞。どちらも台湾映画なのに「作品賞が2つあるのはおかしくないか?」というもっともなツッコミがそれなのですが、その背景には年度台湾優秀映画賞が制定された際の「お家の事情」が絡んできます。
前述のように、ここ10数年間、金馬奨で台湾映画は“蚊帳の外”に置かれているような状態だったのですが、「いくらなんでも、台湾の映画賞でそれはあんまりだろう」という声が高まった結果(?)、台湾映画限定の賞として2002年に制定されたのが、年度台湾優秀映画賞と年度台湾優秀映画人賞だったのです。
台湾映画が好調であるがゆえの、まさに“嬉しい誤算”といったところでしょうが、明言こそありませんでしたが、『愛が訪れる時』がグランプリで、『4枚目の似顔絵』が準グランプリ、というのが審査員の総意であることは間違いないでしょう。

来年以降は、「年度台湾優秀映画賞なんていらない」金馬奨になることを願ってやみません。


金馬奨:フォトギャラリー

『4枚目の似顔絵』ビー・シャオハイ

『ジュリエット』ビビアン・スー

『ズーム・ハンティング』チャン・チュンニン

『台北カフェ・ストーリー』リン・チェンシー

『ブッダ・マウンテン』シルビア・チャン(左)は、ジャッキー・チェン(右)と

最優秀アクション賞:サモ・ハン・キンポー『イップ・マン 葉問』

最優秀新人俳優賞:リー・チエンナー『ジュリエット』

最優秀監督賞:チョン・モンホン『4枚目の似顔絵』

年度台湾優秀映画人賞:リー・リエ『モンガに散る』

最優秀主演男優賞:イーサン・ルアン『モンガに散る』





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